今回紹介する方法でニオイ問題は解決!ただし、ニオイの感じ方には個人差があります。
ニオイの原因5選!
- ブロワーの経年劣化、故障
- マンホールの欠け、割れ、隙間
- 害虫の発生
- 浄化槽維持管理を受検していない
- 使用頻度によるキャパオーバー
この記事を見ているということは、浄化槽付近からのニオイが気になっている方だと思います。
ニオイというのは普段気にしていなかったのに一度気になると、ずっと気になってしまうためとても厄介ですよね。
さらに嗅覚には個人差があるため、なかなか対処方法が難しい問題です。
本記事では浄化槽管理士を10年以上経験している私が、できるだけニオイの原因を無くす方法を解説しています。
お任せください!
今日からでも実践できる内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください。
ニオイの原因のほとんどがブロワー劣化、故障

皆さんブロワーとは何かご存知ですか?簡単に説明すると槽内に「空気を送る機械」です。
なんのために空気を送っているのかというと、浄化槽にはたくさんの微生物が住んでいます。微生物が汚水を分解する(食べている)ことで浄化処理をおこなっています。
微生物も「生き物なので酸素が必要」です。
ブロワー内部の部品が劣化し風量が弱くなったり、完全に故障してしまうと微生物が酸欠となり死んでしまい汚水を分解できなくなります。
また、各家庭での使用状況によっては、ブロワーは正常に運転しているのに風量不足になっている現場もあります。
これは使用頻度が高く、負荷の高い現場で多く見られます。その場合の対処法は、ブロワーの風量をワンランクアップさせるという方法もあります。
微生物が「死んでしまうと浄化処理ができなくなる」ことや、死滅した微生物からニオイが発生します。
ブロワーは槽内にあるさまざまな役割の配管に空気を送っているため「浄化槽にとってブロワーは心臓部分」といえます。

ニオイが気になる場合は、ブロワーが正常に運転しているか確認してみましょう。
※余談ですが、新築やリフォームで「浄化槽を設置した最初の数ヶ月は、微生物が浄化槽に馴染んでいないためニオイが発生」することがあります。
その印象が浄化槽はニオイがでるというイメージに繋がっている原因かも知れません。
浄化槽だからニオイが出る、下水道だからニオイがでないということではありません。
これを見ている初心者の方は、ブロワーが正常に運転しているかどうかわからないと思うので、管理会社に相談してみるとよいでしょう。
マンホールの欠け、ヒビ、隙間

この内容は今すぐ確認できる内容となっています。
マンホールを確認し「欠けている場合、隙間からニオイがでている」ことがあります。なぜかというと、ニオイや煙というのは上に向かって上がっていくからです。
マンホールも長年使用していると、「経年劣化により耐久性がかなり下がります。」
また、汚水桝(小さなマンホール)にトラップはしてあるか、ないかなどもニオイの原因に繋がります。
古い物件の場合は多少仕方がないケースもあります。臭突の故障やトラップのない現場もあります。
マンホールに欠けやヒビがある場合は、割れる可能性もあるので交換することをおすすめしています。
害虫によるニオイの原因

害虫からニオイがでる原因と対処法
- 幼虫が動き周りスカムが崩れる
- スカムを食べる
- 排便がドロドロでにおう
- 見た目が不快
- 定期的な殺虫プレートか粉薬で対処可能
- 浄化槽清掃も効果的
基本的に槽内は一年中暖かいため、虫にとっては住みやすい環境となっています。
スカムとは汚泥の固まりのことです。下の動画でもスカムを見ることができます。

※閲覧注意です。
先ほどマンホールの欠けやヒビのお話をしましたが、そこから虫は侵入し卵を産み付けることが可能なため、孵化して増殖していきます。
その中で特に害悪の害虫がいます。名前は「アメリカミズアブといってアブの仲間」です。
ミズアブの幼虫が悪さをし、嫌なニオイを周辺に撒き散らすことがあります。
見た目もかなり気持ち悪くマンホールから出てくることもあり、お客様がよく叫んでいる所を何度も経験しています。
この虫の対処方法は、「槽内に殺虫プレートを吊るすか、粉薬を散布することで解決」できます。これらを定期的に行うことで虫のことを気にせず一年中快適に過ごすことができます。
また、費用はかかってしまいますが、浄化槽清掃も効果的です。
浄化槽に潜む害虫の対処方法を詳しく解説しているので、必ずお役に立てる内容となっています。興味ある方はご覧ください。
浄化槽の維持管理を受検していないと浄化槽ではなくなる

浄化槽の維持管理とは、「保守点検、浄化槽清掃、法定検査」この3点全てを受検して初めて浄化槽維持管理を適切におこなっているといえます。
浄化槽はこの維持管理を行う前提で作られています。これらを受検していないとどうなってしまうかを紹介します。
- 消毒剤が無くなる
- 汚物が垂れ流し状態になる
- 環境にとても悪い
- 漏水していても気付かない
- ニオイの原因になる
- 浄化槽の機能低下
- 浄化槽が壊れる
- 近所迷惑になる
- 過料がある
これほどの悪影響を及ぼしてしまいます。
浄化槽維持管理は「浄化槽を使う方の義務」なので必ず受検しましょう。
ご自身が出したモノに処理費や維持費がかかることは当たり前のことですよね。
上記の理由でこちらもニオイの原因の一つとなります。
浄化槽にも溜めれるキャパシティーがある

浄化槽にはさまざまな型式、処理方法があり、「一番小さな浄化槽は5人槽」という表記がされています。
これは家族が5人だから5人槽というわけではなく、「人槽とは土地の延べ床面積」によって決められています。
簡単に説明すると「40坪以下は5人槽、40坪以上は7人槽〜」という風に容量が大きくなっていく仕様です。
とはいえ、ある程度住む人数に近い設定がされているため、一番小さな5人槽の浄化槽に7人住んでいたとすると、その分使用頻度が多くなり浄化槽に汚泥が早く溜まります。
浄化槽とはいっても「汚水を処理するにはある程度時間がかかる」ため、使用頻度が多いと処理が追いつかなくなり、汚水やニオイが出る原因に繋がります。
この場合の対処法は、「清掃頻度を高めるか、無駄な水は流さないようにする」ということです。単純明快ではありますが、汚れが溜まれば取り除けばよいということです。
清掃とはバキュームカーで汚物を引き抜くこと。
無駄な水を使えば使うほど浄化槽に水が流れていくため、槽内での滞留時間が短くなってしまいます。
例えば台所の水や洗面所、お風呂を出しっぱなしにしないこと。「水道、電気、ガス代の節約」にもなるので頭の片隅に置いておくといいですね。
まとめ

- ブロワーを確認
- マンホールの確認
- 虫が周辺にいないか確認
- 浄化槽維持管理を受検する
- 清掃する、水を出しっぱなしにしない
素人の方でも上記のことを実施すればニオイの原因の解決ができます。
ただ、冒頭でもお伝えした通り嗅覚には個人差があります。
ニオイについては本当に難しく、答えがないものではあります。
- 近隣からのニオイ
- 浄化槽の設置場所
- 本人の嗅覚
- 配管の繋ぎ方
などなど例をあげるとキリがありません。
上記のことをおこなっても改善しない場合は管理会社、清掃会社に相談しましょう。
その現場でしか起こりえないようなこともよくあるので、一度プロの方に見てもらうことが確実で、安心できるかと思います。