水張りをおこなう理由3選解説!
■ 浄化槽が割れるのを防ぐ
■ 固形物と液体に分離するため
■ ニオイ、詰まりを防ぐため
浄化槽清掃後、水張り作業は必須です。
浄化槽の水張りを行う理由は上記3点です。
水張りが大事なことはわかったけど水道代はいくら掛かる?
バキュームカーで槽内に戻しているのを見たことあるけどあれは大丈夫なの?
本記事では、そんな疑問も分かりやすく解説しています。
自分でも簡単にできる水張り方法も紹介しているので、興味がある方はぜひ読み進めてください。
浄化槽は割れます

「漏水」といいます。
いきなりのパワーワードですね。
割れた所から水が湧き出ることを「湧水」といいます。
簡単にイメージしてもらいたいのですが、「空っぽのタンクと、満タンに水が入っているタンク」が地面に埋まっています。
どちらが壊れにくいと思いますか?
答えは後者ですよね。
浄化槽は地面に埋まっていて、上下左右から土圧が掛かっています。
浄化槽を清掃した後は速やかに水張りし、一方的に土圧が掛からないようバランスを取っています。
浄化槽には土圧が掛かっている。
水張り方法はさまざま
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■ 汚水桝から入れる
■ 汚水処理場から水を汲んでくる
■ お客様の自宅から入れてもらう
基本的には上記2つがメインの水張り方法となります。
汚水桝というのはこのようなモノです。

汚水桝は必ず浄化槽に繋がっているので、こちらの桝から流すと浄化槽に流れていくという仕組みです。
浄化槽清掃後水張りをおこなう際は、お客様のホースは絶対に使用しないでください。
嫌な気持ちになられる方が結構います。
トラブルの元なので面倒くさくても必ずご自身のホースを使用しましょう。
基本的に人の家のモノは使わない
汚水処理場とは汚泥を処理する施設
汚水処理場とは、引き抜いた汚泥を処理する施設です。
処理された水が張り水として溜められており、そちらの水を運搬しお客様の浄化槽へ投入しています。
知らない方からすると汚水を浄化槽内に戻しているように見えるかもしれませんが、キレイな水なのでご心配なく。
とてもキレイな水なので安心して下さい
お客様に水張りを依頼することもある

基本的に水張りをお客様に依頼することはNGです。
水張り完了するまでが私たちの仕事なので。
ですが、お客様がその日出かける用事がない場合や、浄化槽の仕組みを知っている方、親しい関係になるとお客様が水張りやってあげるよと、仰ってくれることがあります。
その時はお言葉に甘えて水張りを頼むことがあります。
お客様に依頼する際の注意点
■ 子供、高齢の方には頼まない
■ 家の中から水張りできる方法を選ぶ
ご自宅に子供、高齢の方しかいない場合はやってあげるよといって頂いたとしても、頼まないようにしましょう。
子供はそもそもあてにしてはいけません。
高齢者の方もよく止め忘れがちでトラブルの元になります。
子供、高齢の方には頼まない。
お客様に水張りを頼む場合は、「基本的に家の中からできる水張り方法」にしましょう。
家の中以外の方法を頼むと「水の止め忘れやお客様の手が汚れてしまう」可能性があるからです。
■ お風呂の残り湯を流す
■ 台所、洗面所から流してもらう
■ トイレから流してもらう
浄化槽にはさまざまな型式や大きさがあるので、浄化槽清掃員にどの程度の時間を溜めればよいか聞いてください。
おおよその目安は1時間程度です。
お風呂の残り湯があると少しだけ水道代が減らせます。
お風呂、台所、洗面所から水張りができる浄化槽は「合併処理浄化槽だけ」です。
単独処理浄化槽をご使用の方は、トイレからのみの水張り方法になります。
洗浄レバーを大の状態にしてテープで固定すると、水がずっと流れる状態になります。
その状態で1時間ほど経つと、テープを外し作業終了です。

テープがない場合はトイレットペーパーを少し多めに取ります。
洗浄レバーを大にし、丸めたモノを隙間に挟めばOKです。
1時間ほど経つと挟んでいたトイレットペーパーを外し、そのままトイレに流して作業終了です。

水張りにかかる費用
結論:蛇口いっぱいに開けた状態で「1時間使用したとすると200円前後」です。
地域によっても多少前後ありますが、大体の目安として覚えていてください。
水道を出しっぱなしにしてしまったことについての詳細記事はこちら
普段水を出しっぱなしにすることなんてあまりないので、不安になられる方もいると思います。
意外と水道代って掛からないんだ、と思った方が多いんじゃないでしょうか?
固形物と液体に分離するため
水張りを行う2つ目の理由として固形物と液体を分離するため、ということがあります。
ほとんどの浄化槽1槽目には沈殿分離槽があります。
沈殿分離槽とは固形物や重いゴミは底部に、油や軽いゴミは上部に汚泥(汚れ)を溜める槽です。
槽内に水が適正量溜まっていないと分離することができません。
分離したあと、嫌気性微生物が汚水処理しており、微生物が住める環境を整える必要もあるので水張りは必須になります。
ニオイ、詰まりの原因になる

先ほど、適量の水がないと分離できないという説明をしました。
水が溜まっていないとニオイは上に上がろうとします。上に上がるということは、ニオイの発生原因となります。
水気がない固形物は、嫌気ろ材の詰まる原因にもなります。
まとめ
■ 浄化槽清掃後、水張りは必須
■ 水張りにもさまざまな方法がある
■ 水道代はそれほど掛からない
いかがだったでしょうか?水張りにはこのような理由があります。
浄化槽を長く使用するために徹底して水張りを行いましょう。