浄化槽管理士が選ぶおすすめ「逆洗タイマー付き2口ブロワー」3機種を紹介します。ブロワーは浄化槽の酸素供給とエアー分配に不可欠です。
逆洗機能を備えた多様なブロワーから、性能とコストパフォーマンスに優れる3機種を選定しました。それぞれの特徴やメリットについて詳しく解説します。
10年以上の現場経験を持つ私がおすすめの3機種を紹介！
結論はコチラ！
第1位
テクノ高槻DUO-80
(風量60~80ℓ)
ポチップ
第2位
フジクリーン工業UniMB-80
(風量60~80~100ℓ)
ポチップ
第3位
日東工器メドーLAG80E
(風量80ℓ)
ポチップ
本記事では「風量80ℓの2口ブロワー」について解説します。ブロワー選定には浄化槽の型式に適した風量の確認が重要です。浄化槽に合うブロワーを選んでください。
1口と2口ブロワーの違い
ブロワーは「1口」と「2口」の2種類があります。本記事で紹介する3機種は全て「2口」仕様です。選択時には「1口」を誤って選ばないよう注意してください。
処理方法の違いについて
ブロワーは、「1口」と「2口」の2種類があり、浄化槽の処理方式に応じて選ばれます。
1口ブロワーはろ過槽がない浄化槽用、2口ブロワーは生物ろ過槽を持つ浄化槽に適しています。生物ろ過槽は担体を使用し、洗練された浄化処理を行います。
ブロワー選択が浄化性能に大きく影響するため、浄化槽の型式を確認してください。
下の画像では生物ろ過槽の構造が示されています。
画像のように水は流れますが、時間とともにろ過槽に汚れが蓄積し、詰まりが発生します。これはエアコンのフィルターにホコリが溜まる現象に似ており、生物ろ過槽も同様に水質が悪化します。
2口ブロワーは、一方の口から空気を送り、設定時間に応じて自動で弁が切り替わります。逆方向から空気を送り、ろ過材を逆洗し、詰まりを防ぎます。
以下の動画では逆洗前後の様子が確認できます。
ブロワーの役割は微生物と配管へのエアー供給
- 微生物に酸素を供給
- 配管に空気を供給
- 移送、返送、循環、放流の役割
浄化槽は微生物を利用して汚水を浄化するシステムです。ブロワーは空気を供給し、汚水の移送や循環を助け24時間稼働して正常な機能を維持します。
ブロワーの故障により酸素供給が止まると汚水の処理機能も停止します。
詳細は以下の動画で解説しています。
左ばっ気、右ばっ気の見分け方と選び方
２口ブロワーには「左吐出」と「右吐出」の２種類があります。
購入を検討する際は、現在使用しているブロワーがどちらの方向で吐出されているものかを確認し、同じ方向のブロワーを選択してください。
2口ブロワーには「左ばっ気用」と「右ばっ気用」があります。購入前には現在使用中のブロワーがどちらのタイプかを確認することが重要です。
確認方法は簡単でブロワーの吐出口に立ち、表面の青い「散気」シールを見ます。左側に青いシールがあれば「左散気用」、右側にあれば「右散気用」です。下の写真では青いシールが右側にあり「右散気用」と表記されています。
下記の場合は「左ばっ気用」ということです。
テクノ高槻DUO-80の特徴とメリット！
メリット
- 高性能
- 価格がリーズナブル
- コストパフォーマンスが良い
テクノ高槻CPシリーズの後継であるDUOブロワーの大きな魅力はコストパフォーマンスです。3機種の中で最もリーズナブルな価格設定となっています。
ネットでの価格は私たちの仕入れコストよりも低く、仕入れ価格に加え廃棄費用や人件費を考慮すると、この価格での販売は管理業者には不可能です。
ズバリ本音で語ります。ネットの価格には敵いません。
低価格でも性能が劣るわけではなく、高い性能を維持しているためコストパフォーマンスが非常に高いです。
テクノ高槻DUO-80のデメリット
デメリットとして、テクノ高槻DUOブロワーはカバーやフィルターの清掃が手間になる点が挙げられます。カバーの形状が複雑でホコリを除去するのが少し難しい。
定期的なメンテナンスを専門業者が行う場合、フィルターの清掃は業者が担当しているので、利用者が過度に心配する必要はありません。
清掃後↓
ポチップ
フジクリーンUniMB-80の特徴とメリット
メリット
- 簡単なメンテナンス：手間のかからないメンテナンスが特長
- 機能性：圧力計が付属し、逆洗機能の設定も手軽に行える
- 利便性：吐出口の向きを気にすることなく使用可能
- 省エネ：消費電力が少なく節約ができる
特徴は主要な浄化槽に対応した逆洗機能があり、逆洗の時間や回数を簡単に変更できる点です。設定がわからない場合は取扱説明書を参照するか、管理業者に依頼しましょう。
また、フィルターの清掃が他の機種より手間がかからず、工具も不要な点も魅力です。ブロワーには圧力計が付属しており、1万円以上する圧力計を考慮すると、コストパフォーマンスが高いです。
ポチップ
2口ブロワーには「左ばっ気、右ばっ気の2種類があるという」お話をしました。
UniMBブロワーについては「右吐出」のみの設計となっております。
ですが、安心してください！
ブロワーには「吐出口反転アダプター」が付属しています。アダプターを使うことで、「右ばっ気用」と「左ばっ気用」の切り替えが非常に簡単に行えます。
初めて購入する方でも簡単に使い方を理解し、迷わず選べるため便利です。
※吐出口反転アダプターを使用するには、「直径13ミリの塩ビパイプが各5センチ程度（2本）」が必要です。
具体的なイメージを掴むために下記の写真をご覧ください。
消費電力においてはフジクリーンブロワーが「最も省エネ」です。
長期間使用すると、十分なコストパフォーマンスを発揮するこができます。
選ぶのが大変、決めれないって方にはこちらがおすすめ！
フジクリーンUniMB-80欠点
デメリット
- 価格：購入コストが若干高い
- 仕様：左散気時には13の塩ビ管が必要
デメリットとして、吐出口反転アダプターを使用する際には、約10cmの13塩ビパイプが必要となります。
購入時のコストはやや高めですが低い消費電力で電気代を節約できるため、長期的に見れば十分に元が取れます。
ポチップ
日東工器メドーLAG80Eのメリット！
メリット
- 壊れにくい設計
- フィルターも耐久性が高い
- 独自のピストン方式を採用している
ブロワーの主な特徴は「ピストン式ブロワー」です。他の2機種と比較して内部部品の耐久性が高く、壊れにくいというメリットがあります。
メドーは唯一無二のピストン方式ブロワー！
多くのブロワーが使用する「ダイヤフラム」はゴム製で、24時間連続動作による摩耗や気温の変化による伸縮で破損のリスクがありますが、これらの部品は消耗品とされています。
一方、メドーのブロワーは「リニア駆動フリーピストン方式」を採用しており、耐久性が高く部品の交換頻度が低くなっています。価格は他の2機種と比べて中程度です。
詳しいピストン部品の交換方法は以下の動画で確認できます。
日東工器メドーLAG-80Eの欠点
デメリット
- 異音が発生する可能性がある
- 修理の際に追加の費用が必要
長期間のブロワー使用により、徐々に故障の兆候が現れることがあります。「異音が出始める」ことは故障のサインの一つです。書斎や寝室の近くで発生すると気になるかもしれません。
内部でピストンが中心からずれた場合、修理には特別な工具が必要です。
多くの業者が専用工具を持たないため、故障したブロワーは新品と交換されるため、コスト面での考慮が必要です。
ポチップ
3機種のW数と消費電力を比較！
各ブロワーの消費電力とその消費電力に基づく1日あたり、年間の電気料金の概算です。
※端数は切り捨てています。
| モデル | 消費電力 (W) 散気 | 消費電力 (W) 逆洗 | 24時間の電気代 (円) | 365日の電気代 (円) |
| テクノ高槻 DUO-80 | 58 | 58 | 36 | 13,718 |
| フジクリーン UniMB-80 | 49 | 52 | 30 | 11,589 |
| 日東工器 メドーLAG80E | 72 | 72 | 44 | 17,029 |
電気代はブロワー選びの重要な基準です。コストパフォーマンスや使用環境に合わせて最適なブロワーを選びましょう。
電気料金の計算方法
電気料金の計算を例として紹介します。
電気料金の基本単価は税込で27円／kWhとします。こちらの情報は「公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会」の新電力料金目安単価に基づいています。
1kWhは1,000Whに等しいので、1Wの電気を1時間使うと、電気代は以下のように計算できます。
1W×1時間÷1,000×27円=0.027円
例えば、50Wのブロワーを1日24時間、1年間連続で使用した場合の電気代は以下になります。
0.027円×50W×24時間×365日=11,826円
ポチップ
ブロワー購入の際に絶対に守ってほしいこと
- 浄化槽に適した風量のブロワーを選ぶ
- 現在の風量以上のものを選ぶことが重要
- ブロワーを使用することで、ニオイの発生や浄化機能の低下を防ぐ
購入する前に皆さんにお願い。
現在70ℓの風量のブロワーを使用している場合、風量が80ℓのブロワーに交換しても問題ありません。
しかし、低価格を理由に使用中のブロワーよりも風量が低いものに交換するのは避けましょう。交換時は、現在の風量と同じかそれ以上のものを選ぶことが大切です。
多くのお客様が型式を確認してブロワーを購入していますが、浄化槽に適した風量でない場合も多く見受けられます。
不適切なブロワーの使用は、ニオイの発生や浄化処理の効率低下を招き、環境への悪影響も考えられます。購入時には必ずご自宅の浄化槽の型式に合った風量のブロワーを選ぶようにしてください。
型式に合った風量が確保されていない場合、ニオイが発生しやすく浄化槽の機能低下や水質に影響を与えます。
現役浄化槽管理士がおすすめする「タイマー逆洗付き2口ブロワー3選」です。冒頭でも述べた通り、選んだ商品はすべて高性能で耐久性に優れています。
今回ピックアップしたブロワーは、価格の手頃さと高い性能、コストパフォーマンスの良さが特徴です。
現場からは以上です！
