【浄化槽法定検査の重要性とメリット】

結論!必要!
法定検査は第三者目線で指摘する機関で、指摘を受けた管理業者が調整を行なっています。
法定検査は、法律に基づき公共の衛生と環境保護のために行われるものです。
保守点検によって、浄化槽の老朽化や劣化、故障の可能性をチェックすることができます。この点検を怠ると、汚水が排出され、環境汚染や公害の原因になる可能性があります。
民間管理業者は、適正な点検、調整、清掃を行い、浄化槽が正常に機能しているか、水質の基準値が適正かどうかを第三者の視点から検査し、総合的に判断しています。
こうした検査は、公共の健康と環境保護のために欠かせないものであると言えます。
この記事を見て分かること
■ 法定検査とは?
■ 受けないとダメなの?
■ 法定検査のメリットは?
浄化槽利用者の責務と義務

「法定検査」とは、「浄化槽法」という法律により、「浄化槽を所有している全ての方が定期的に受けなければならない検査」のことです。
しかしながら、現在でも法定検査を受けていない方は一定数いるという現状があります。
この「法律に違反すると、30万円以下の過料が科せられる」ことになっています。
ただし、浄化槽法定検査において、「過料が実際に適用されたケースは現在のところなく、グレーゾーンに位置」しています。
これは、「管理者(浄化槽を保有する方)が適切な対応を行っているため」です。
ただし、過料という制度があること自体は無視できないものであり、違反があれば適用される可能性があります。
例えば、タバコの路上喫煙も過料にあたりますが、実際に支払われているケースがあるように、今後は浄化槽法定検査においても過料の適用が厳しくなる可能性があります。
保守点検と法定検査の相違点を解説!

多くのお客様から、「なぜ浄化槽の保守点検や清掃だけではなく、法定検査も必要なのか?」という疑問をいただくことがあります。
そこで、ここではその理由をわかりやすくご説明いたします。
■ 保守点検とは
浄化槽の機能を正常に保つため、定期的に「点検」「調整」「修理」「薬剤の補充」、を行う作業のことです。
■ 清掃とは
浄化槽の清掃作業は、「バキュームカーを使って汚泥や汚物を吸引し、配管やポンプなどの設備や部品を洗浄する作業」のことを指します。
定期的な清掃を行うことで、浄化槽の機能低下や汚物の流出、ニオイの原因を防ぐことができます。
■ 法定検査とは
保守点検や清掃の適正な実施状況や浄化槽の正常な機能、水質の測定値に問題がないかを確認するため、法定検査が行われます。
適正な管理が行われていない場合、民間管理業者に指摘が入ります。
法定検査は「第三者視点で検査を行うことにより、環境維持には非常に重要な機関」といえます。
法定検査には7条検査と11条検査が存在!知っておきたいポイントとは?

■ 7条検査(設置後一回のみ)
■ 11条検査(毎年一回)
7条検査
7条検査は、浄化槽の設置後に「3ヶ月から5ヶ月以内」に実施される検査です。
この検査は、新築時やトイレのリフォーム時など、浄化槽を使用開始する場合の一度だけ行われます。
具体的には、浄化槽の正常な機能性、配管の適切な接続状態、水の流れに問題がないかなどを詳細に確認します。
11条検査
11条検査は、浄年に1度行う検査です。
この検査では、浄化槽の保守点検や清掃、正常な機能の確認、水質基準値の適正範囲内であるかの検査が行われます。
検査費用は地域によって若干の差がありますが、検査費用はこちらでご確認いただけます。
お客様のお宅に保守点検に伺うと、
昨日も検査に来てましたよ~
それは法定検査で、本日は保守点検ですよ~
法定検査は、日々の点検とは異なる検査項目があります。「法定検査員が浄化槽の指摘を行い、管理業者が修正する」という流れになります。
もちろん、管理業者は常日頃から浄化槽の調整を行っていますが、法定検査員が訪問した日に問題が発生していることがあるため、法定検査は重要な役割を担っています。
以下の動画は、法定検査を受検して適正と判定された2日後の槽内の状態です。
槽内では日々さまざまな変化が起きています。
浄化槽の監視役:法定検査で指摘される内容とは?

法定検査で指摘される内容
■ 浄化槽が漏水している
■ 消毒剤が溶けて無くなっている
■ 機械や槽内の、ろ材、配管などが故障し正常に機能していない場合
法定検査員は、浄化槽に対して幅広い検査項目をチェックし、問題がある場合には指摘します。
例えば、「消毒剤の不足や配管の詰まりなど、」異常が見つかった場合には、その旨を管理会社に指摘しています。
指摘を受けた管理業者は、指摘内容を修正し、再度検査員に指摘事項が解消されたかどうかを確認してもらいます。
消毒剤が切れていますよ~
わかりました!すぐ補充しにお伺いします。
もし法定検査がない場合、浄化槽内の問題が見過ごされ放置される恐れがあります。
管理会社が薬の補充を怠ったり、配管の詰まりを放置したりすることで、環境に深刻な悪影響が及ぶ可能性があります。
正確な検査と適切な管理が行われることで、浄化槽の問題が早期に発見され、適切な対策が取られます。法定検査と管理業者の存在は、環境保護と安全性の確保に不可欠です。
環境なんてどうでもいい!
数は少ないですが地域によっては、「法定検査と民間業者の検査料金がまとまっている」地域も存在します。
しかし、全国的な統一が行われていないため、お客様にとっては混乱を招く場合もあります。
今後は、全国的な統一を進めることで、わかりやすいシステムに改善されることを期待しています。
民間の浄化槽管理業者が行う「定期点検や清掃、法定検査については、人間ドッグや車検に例える」ことがあります。
これは、健康や車の安全性を維持するために定期的な健診や点検が必要であることと同様に、浄化槽も定期的な点検や清掃、法定検査が必要であることを示しています。
定期的な点検や清掃、法定検査によって、浄化槽の適切な維持管理が行われ、トラブルを未然に防ぐことができます。
検査結果は以下の3つで判定されます。
■ 適正
■ おおむね適正
■ 不適正
適正であるか、おおむね適正であれば問題ありませんが、もし不適正と判断された場合は、「浄化槽や管理に問題がある可能性」があるため、適切な対処が必要です。
もし不適正と判断された場合で、問題が分からない場合は、自身が依頼している管理会社に相談してください。
管理会社は指摘内容について詳しく説明し、問題を解決するための提案をしてくれます。
法定検査の重要性とメリット:浄化槽管理における安心と環境保護

浄化槽の法定検査には費用がかかりますが、それは浄化槽の適切な管理と環境保全に貢献するために必要な経費と考えられます。
法定検査を受けることで、浄化槽が正常に機能しているか、水質が基準値に適合しているか、適切に管理されているかが確認されます。
これにより、使用時には安心感を得ることができます。
また、指摘された問題を修正することで、より良い環境保全に貢献することができます。
つまり、「法定検査は環境保護に向けた取り組みの一環」であり、費用がかかることには十分な意味があります。
下記の動画では、法定検査の今後の課題や受検率について解説しています。
実際金額以上のメリットがあります!
以前、井戸水を使用している地域で浄化槽が地震や地盤沈下で漏水し、地下水に汚水が漏れ、「大腸菌O157による食中毒で亡くなるという事件」が発生しました。
この事例は稀なケースですが、管理や検査を受けていない場合には、同様の問題が発生するリスクがあることを認識する必要があります。
また、既に問題が発生している可能性もあることを考慮する必要があります。
自身が費用をかけたくない、問題ないだろうと思っていたとしても、知らず知らずのうちに近隣の方に迷惑をかけてしまう可能性があります。
このような悪い可能性を排除するためにも、管理や検査を受けることで安心して浄化槽を使用できるというメリットがあります。
その上、指摘された問題を修正することで、より良い環境保全に貢献することができます。
したがって、管理や検査を受けることは、利用者や周囲の方々にとっても大きな利益をもたらすことができます。
まとめ

浄化槽の点検の必要性に疑問を抱くこともあるかもしれません。しかし、浄化槽の適切な管理は「集団生活のルールの一環」として、不可欠なものです。
実際に、浄化槽保守点検をしっかり受けているにも関わらず、法定検査を受けなければならない理由があります。
というのも、浄化槽は地下に設置されているため、問題が起きた場合にはそれが直ちに目に見えるわけではありません。
そのため、定期的な点検だけではなく、法定検査という外部の機関によるチェックが必要です。
法定検査は、浄化槽が適正に管理され、「汚水を適切に処理していることを証明するものであり、民間管理企業が適切に業務を行っていることを客観的に証明」することができます。
以上のように、法定検査と民間企業の管理は、集団生活をしていく中のルールとして必要なものといえます。
適切な管理を行い、健康で快適な生活環境を守るためにも、浄化槽の適切な管理には、十分な理解と対応が求められます。
私たちは一人ひとりが環境への意識を持ち、現在と未来のために環境をより良くしていく必要があります。
未来の世代のためにも、一人ひとりが環境への責任を持ち、持続可能な社会の実現に向けて行動しましょう。
過料とは、秩序維持のために金銭を徴収する制度で、刑事事件の罰金とは異なり、過料は前科になりません。