浄化槽ブロワーの音、気になりませんか?
この記事で解決できるお悩み
- ブロワーの振動音の原因
- 簡単にできる振動音の消し方
- 振動音を完全に消す解決方法
こんな悩みを解決できる記事を書きました。
私は10年以上浄化槽業に携わっていて、現役で浄化槽管理士をしています。
ブロワーの音って一度気になると、気になって気になって仕方ないですよね?
本記事では、どうして異音がするのか?原因から対処方法まで紹介しています。
ブロワー関連で浄化槽のニオイについて下記の記事で解説しています。ニオイが気になる方はぜひご覧ください。
最も効果のある騒音対策はこの3選!

お時間のない方に最も効果的な方法を3つ紹介します。
- ブロワーを新規に取り替える
- ブロワーの設置場所を変える
- 消耗品を定期的に交換する
以上の3点になります。全て費用がかかってしまう内容ですね。。
ですが、こちらの方法が確実なことに間違いないので、最終手段として頭の片隅に入れておいていただけると幸いです。
あまり費用がかからない方法はないの?
そう思われた方に朗報です!
これから7つの原因とそれぞれの対処方法を解説していきます。
何か一つでも参考になれば幸いです。
異音がする原因7選!

異音にも種類があり、「カタカタ、ジリジリ、ブーブー、シューシュー音」それ以外にも多数ございます。
考えられる原因は、大まかに以下の7点です。
- コードが本体に当たっている
- ゴミ、枯葉などが溜まっている
- フィルターカバーのパッキンが劣化している
- 本体の位置が悪い
- ゴム足が劣化している
- ホースの接続部から空気が漏れている
- ビルドインチューブの劣化
ブロワーを触る場合は必ず電源を切って手袋を忘れずに!
本体が熱くなっていることがあります。
コードが本体に触れて振動している
ブロワーには電源を差し込むプラグが必ずあります。
プラグ付き電源コードが「古くなるとカチカチに硬くなる」ため、ブロワー本体に接触し異音がでている可能性もあります。
下の写真のコードは21年前のコードです。余談ですが、このブロワー現役で運転しています。

対処方法は、「テープやインシュロックなどでブラブラ揺れないように固定」しましょう。

これは割と多い原因の一つなので、異音が気になる方は今すぐ確認してみてください。
ゴミやホコリ枯葉などが溜まっている

ブロワーとは24時間、365日運転し空気を吸い込んでいます。
さらにブロワーは家の隅に置かれがちな機械です。
つまりホコリや枯葉などがとても溜まりやすい環境に設置されていることが多く見受けられます。
「ホコリや枯葉がコード、本体に触れて異音」がでている可能性もあります。
ブロワー本体周りにゴミが溜まっていないか確認してみましょう。
フィルターカバーパッキンが劣化している

ブロワーには「必ずフィルター」があります。
多くのブロワー上部にフィルターカバーがネジで固定されていて、フィルターカバー裏にはパッキンがあります。(少数ですがパッキンがないものもある)
ブロワーは何年も使用するものなので、パッキンが劣化しボロボロになってしまいます。
パッキンがなくなり「本体とフィルターカバーの間に隙間ができ、振動によって異音がでている」こともあります。
この場合の対処法は、「新しいパッキン」を取り付けるか、「インシュロックでギュッと縛り隙間をなくす」ことで解消できます。

しかし、古いブロワーだとパッキンが生産中止のモノも多くあるので、音が気になる方は新規交換することをおすすめします。
「フィルターカバーと本体のネジに緩みがないことも必ず確認」しておきましょう。
ブロワー本体の位置が悪い
ブロワー設置の基本ですが、据え付け台に「水平に設置」することです。
しかし、現状そのような現場ばかりではありません。。。
ブロワー内部には「ダイヤフラムやピストンを支持しているゴム足」があります。
仮に本体を斜めに設置してしまうと、重力により片方のゴム足に負荷がかかりゴムが劣化し、ズレて異音がでるというケースもあります。
この本体の位置が悪い場合は、比較的簡単に直るケースもあります。
上記の動画でもありますが、ブロワーの位置を少しズラしてやることで異音が解消できることもあります。
本体のゴム足の劣化

先ほど解説したゴム足とは違い、「本体部分のゴム足」になります。
本体の自立する足部分で、大体4ヶ所あります。
基本的にブロワーは外に置かれているため、「何年も雨風に晒されているとゴム足部分が劣化」してきます。
劣化すると本体のバランスが悪くなり水平が保てなくなる原因に繋がります。
この場合の対処法は、「防振パットを下に敷くかゴム足を取り付ける」とよいですね。
防振パッドは好みの大きさに切って使用することもできます。

こちらがゴム足です。
ブロワーのゴム足とこちらのサイズが合っているかは要確認です。

吹き出し口のホースの劣化

ブロワーの吹き出し口を見てもらうと「基本的にL字型のゴムホース」が取り付けられていると思います。写真の白いゴムホースは劣化し、硬くなっています。
L字型ではない場合はまっすぐのストレートのゴムホースが取り付けられています。
この場合はL型ホースを切って、ストレートにすれば使用できます。

こちらもやはりゴムなので、長年使用していると経年劣化によりヒビや破れの影響で、エアーが漏れている現場があります。
この場合はL字型のゴムホースを交換するだけでOKです。

ビルドインチューブの劣化

こちらは「内部部品の名称」です。
多くのブロワーの「吐き出し口にこのチューブが使用」されています。
同じことの繰り返しにはなりますが、こちらもゴムでできているため、劣化し空気漏れの原因になります。
ブロワー内部で「シューシューと空気が漏れている音がする場合」は大体ビルドインチューブが原因です。
まとめ

チェックポイント
- コードが本体に接触していないか
- ホコリや枯葉が溜まっていないか
- カバーのネジの緩み、パッキンの劣化
- ブロワー本体の位置は悪くないか
- 本体のゴム足は劣化していないか
- 吹き出し口のホースは劣化していないか
- ブロワー内部から異音はしていないか
いかがだったでしょうか?
ブロワーはほんのささいなことや、消耗部品の劣化により異音がでることがあるということを覚えておきましょう。
基本的に浄化槽管理士がブロワーのメンテナンスをおこなっていますが、こまめに部品を交換、メンテナンスできる方であれば、一台を長くコスパよく使用することも可能です。
今からでも実践できる方法もあったと思うのでぜひ確認してみてください。実践しても異音が解消されない場合は、管理会社に相談し一度見てもらいましょう。
ここからは私個人の意見ですが、ブロワー本体自体がそもそも消耗品と考えているので、「部品の劣化で異音がする場合はブロワーの寿命」だと思っています。
理由は、何年経過しても異音のしないブロワーはしないし、部品を交換しても直らない場合もあるからです。どんな機械にもいえることで、仕方のないことではありますが「材料の個体差により当たり外れ」もあります。
本体の芯がズレていたり、その時は直ったとしてもまた別の場所が悪くなり、異音が出てしまうということもあります。
とはいえ直せるモノは直すほうがお客様にとっても費用を抑えることができるので、修理、取り替えをおこなう場合は両方のメリット、デメリットをお伝えし、理解、納得してもらい対応しています。