浄化槽維持管理

初めてでも分かる!【セキスイ小型SGC-5型】の合併処理浄化槽紹介!

性能評価型セキスイSGC-5型を解説

 処理方式は?

 総容量は?ブロワーの風量は?

 管理ポイント、詰まり対処方法

初心者が挫折してしまうケースで昔の浄化槽メーカー、型式を覚えるということは非常に多いです。

こちらの浄化槽はネットに情報もあまりなく古い浄化槽ですが、今でも現役で使用されていますよね。

私は10年以上この業界で働いていますが未だに知らない浄化槽がたくさんあります。

少しでも情報を共有したいと思い記事に残しています。

この記事を最後まで読むと、初心者の方でもSGC型が分かるよう簡単にまとめて解説しています。

浄化槽の基礎知識についてはこちら

嫌気濾床及び生物濾過を組み合わせた方式

処理方式は、「嫌気濾床と生物濾過を組み合わせた方式」を採用している浄化槽です。

言いにくい名前ですが、効率的な浄化機能があります。

ちなみに、この浄化槽は日立KGF-2型のOEM商品であり、同じ浄化機能を持つ製品です。

家庭で使用した水は、まず嫌気濾床槽に流入します。

嫌気濾床槽には、プラスチック製の「ろ材」がたくさん入っており、そこで浄化が行われます。さらに、嫌気性微生物によって有機物が分解されます。

下の写真は別の型式のろ材です。このようなモノが入っています。

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生物濾過とは?細かい浮遊物質(汚れ)を濾過する

生物濾過とは、好気処理された汚水を「担体」による吸着、濾過することによって汚れをさらに分解しています。

 酸素が嫌いな嫌気性微生物

 酸素が好きな好気性微生物

  と覚えて下さい。

いなジョー

大きく分けて2種類の微生物によって処理している

生物濾過槽には必ず汚れが溜まっていくので、汚れを剥がす「逆洗管」があります。

設定した時間になると弁が切り替わり自動で汚れを剥がしています。

逆洗についてはこちら

総容量は2.112㎥

 嫌気ろ床槽第1室1.035㎥ 流入

 嫌気ろ床第2室0.517㎥  ↓

 生物ろ過槽0.400㎥

 処理水槽0.139㎥

 消毒槽0.021㎥     放流

合計で2.112㎥となります。

いなジョー

2トンバキューム車でいい感じに仕上がる

5人槽以外の総容量

 6人槽 2.471㎥

 7人槽 2.870㎥

 8人槽 3.488㎥

 10人槽 4.293㎥

ブロワーの風量は80ℓ

ブロワーの「風量は80ℓで本体は2口タイプ」です。

初期のブロワーは、おそらくMB-80Wが取り付けられており、交換時期が近づいている可能性があります。

現在のブロワーは、「省エネタイプで、電気代の削減ができるように」なっています。

交換を検討される場合は、「省エネ性能の高いエコタイプ」をおすすめします。

管理ポイントはガス抜きが大事

1室、2室のろ材には、「メタンやアンモニア性ガス」が底部に溜まります。

このガスは上に上がろうとするため、ろ材を押し上げてしまい、定期的なガス抜きが必要になります。

ガス抜きを怠ると、ろ材を止めている板の破損やろ材の落下につながる可能性があります。

動画では、実際にガス抜き作業が行われている様子が確認できます。

詰まる箇所は生物ろ過槽

生物ろ過槽に「使用されている担体は、スポンジ担体」です。

逆洗いで汚れを剥がしているにもかかわらず、少しずつ剥がせない汚れが付着し、何年も使用するとスポンジ担体がボロボロになったり、詰まってしまい、水を通さなくなることがあります。

実際の動画では、スポンジ担体の汚れを取り除く作業が紹介されています。

動画で紹介されているのと同じ型式の生物ろ過槽であれば、より具体的なイメージがつかめるかもしれません。

逆洗をしても、詰まり抜きを行っても水位が下がらない場合は、担体の交換をして下さい。

処理能力

 処理対象人員 5人

 日平均汚水量1.0㎥

 放水BOD20mg/L以下

 BOD除去率90%以上

まとめ

 嫌気濾床及び生物濾過を組み合わせた方式

 総容量は2.112㎥

 ブロワーの風量は80ℓ

 管理ポイントはガス抜き

 一番詰まる箇所は生物濾過槽

 最も良い対処方法は担体の入れ替え

いかがだったでしょうか?何か一つでも参考になれば幸いです。

ABOUT ME
いなジョー
いなジョー
はじめまして、浄化槽管理士のいなジョーです。私は10年以上、浄化槽業界に携わっており、主にYouTube、インスタ、Twitterで浄化槽に関する情報を発信しています。 浄化槽とは、下水道が通っていない地域に設置される小型の汚水処理装置です。家庭で使用された汚水を微生物の働きによって有機物(汚れ)を分解し、キレイに処理した水を側溝や河川に放流しています。しかし、浄化槽は適切な維持管理(保守点検、清掃、法定検査)が行われないと、正常に機能しなくなり、キレイな処理水を放流することができなくなります。 浄化槽の維持管理には、浄化槽管理士、浄化槽清掃員、法定検査員、そして管理者が関わります。浄化槽の維持管理を受検し、性能を維持することで、環境を守っています。浄化槽には多くの関係者がかかわっており、適切な維持管理が不可欠であることを理解していただければと思います。
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