効果的な維持管理のために知っておきたい7つのポイント!
本記事では、浄化槽を使用している方やこれから使用する方に向けて、大切な情報を解説しています。
知らなかったという方も安心してください。これから浄化槽を正しく大切に使用していきましょう。
この記事を見て分かること
■ マンホールの上に物を置いてはいけない理由
■ トイレに流せる〇〇は基本的に使用NG
■ 浄化槽の周りに木や植物を植えるのはNG
■ 塩素系の漂白剤を大量に使わない
■ ブロワーのコンセントは抜かない
■ 不要な場合の放流ポンプを設置しない
■ 浄化槽に油や食べカスを流してはいけない
これらを分かりやすく解説していきます。なにか一つでも参考になれば幸いです。
マンホールの上に物を置くとどうなる?理由と注意点を解説

新品のマンホールには耐久性がありますが、年月が経つと「徐々に劣化」していきます。
マンホールの上にしか車を停めれないよ~
マンホールの上にしか駐車スペースがない場合、そのマンホールの安全荷重を確認し、定期的にヒビや割れがないかをチェックすることが大切です。
「安全荷重」とは、蓋にかかる荷重を表す数値であり、一般的には「自動車のタイヤ1本あたりが受け持てる荷重能力」を基準として算出されます。
例えば、マンホールに「500K」と表示されている場合、そのマンホールは2トン以下の車両に耐えられます。
つまり、一つのタイヤが500キログラム以下であることを意味します。
普通車であれば、問題なくマンホールの上を通行できますが、アルファードなどの大型車は車両重量が1,920〜2,240キログラムと重いため、マンホールの上に乗らないように注意が必要です。
また、マンホールに表示されている数字は、そのマンホールが「新品の状態で、車両に積まれている荷物がない状態の耐荷重」を示しています。
ただし、古いマンホールに表示されている数字は信頼性に欠ける場合があるため、注意が必要です。
問題がある場合は、「6トン車まで耐えられるサイズのマンホールを選ぶ」ことをおすすめします。

マンホールは消耗品であり、「車が頻繁に通る場合は、何年かに一度交換すること」をおすすめします。
特に、ヒビや割れがある場合は、なるべく早めに交換するようにしましょう。なぜなら、浄化槽の配管や装置を踏み抜いてしまう危険性があるためです。
また、マンホールは見た目では問題がなくても、枠側が割れている可能性があります。
このような問題は、浄化槽維持管理をしていないと気づかないことがあります。
したがって、定期的な点検とメンテナンスが重要です。浄化槽維持管理の専門家に依頼することで安心して使用することができます。

現在、こちらのお宅のマンホールには車が乗っておらず、問題はありません。
しかし、何度も車が乗り入れることで、いつかマンホールが踏み抜いてしまう可能性があることは確かです。
このような場合、「枠側を取り替えるか、鉄板を敷くことで解決できます」が、自己判断で行うのは危険です。
代わりに、管理業者に相談し、適切な方法で対処することが重要です。適切な方法を取ることで、マンホールの寿命を延ばし、安全に使用できるようになります。
安全のてめにロックは必須!マンホール選びで絶対にチェックすべきポイント
マンホールには、ロックのないものとロック付きのものがあり、価格が安いため多くの人がロックのないものを選択する傾向があります。
しかし、ロックのないマンホールは豪雨や洪水の際に浸水し、流される危険性がある他、誰でも簡単に開けてしまうため、非常に危険です。
マンホールを購入する際には、費用がかかっても「必ずロック付きのものを選ぶ」ようにしましょう。
マンホールは必ずロック有りを選んでね!

トイレにはトイレットペーパー以外流さない!正しい流し方を知ろう!

現在、「トイレに流せるウェットティッシュやおしりふき、生理用品」などが市販されていますが、これらを使用する際には注意が必要です。
浄化槽を利用している場合は、これらのものを絶対にトイレに流さないようにしましょう。
これらのものは、槽内で溶けません。槽内で分解されずに固まってしまい、槽内の故障や、浄化不良、詰まりの原因になります。
これらのものをトイレに流すのは絶対に避け、分別して捨てるようにしましょう。
より正確な処分方法については、自治体のルールに従い、適切な方法で処分しましょう。
トイレに流せる〇〇は流しちゃだめ!
浄化槽内では、タンクに一度溜められた後、微生物処理が行われます。
しかしながら、上記のモノは、この浄化処理の工程で分解できないため、「ろ材や散気管(配管)が詰まる原因」となります。
浄化槽清掃を行っても、先述の商品は「完全に取り除くことはできず」、槽内に残ってしまいます。そのため、必ずトイレに流さずにゴミ箱に捨てましょう。
メーカーから「水に溶ける」という表示がされているものもありますが、それらは「分解しやすい」という意味であり、必ずしも水に溶けるわけではありません。
また、「トイレットペーパーを選ぶ際には、100%パルプのシングルタイプ」を選ぶことをおすすめします。購入する前に表示を確認することも忘れずに。
海外製のトイレットペーパーは、コストを抑えるためにパルプの品質が日本のものと異なり、分解が困難な製品が多いことが知られています。
実際、海外にはトイレに流せない国も存在します。
これは、「日本と海外とでトイレットペーパーの扱いに差異」があるためです。海外では、トイレに流さずに可燃ごみとして処理する国が多くあります。
しかし、日本ではトイレに流すことが一般的なため、分解しづらい海外製のトイレットペーパーを流してしまうと、詰まりの原因になってしまいます。
これを避けるためには、日本国内で使用するトイレットペーパーは、日本のトイレットペーパー用のパルプで作られた製品を選びましょう。
また、外国製のトイレットペーパーを使用する場合には、使用前にパッケージや説明書を確認し、適切な処理方法を守って下さい。

※閲覧注意
▼こちらの動画でウェットティッシュが使用NGな理由を解説しています↓
浄化槽を守るために避けるべき!周囲に植えてはいけない木や植物とは?

浄化槽の周りに木や植物を植えて目隠しをすることは一般的ですが、浄化槽の保護を考えると注意が必要です。
実際に、木の根は非常に強い生命力を持っており、何年も経てば浄化槽に損傷を与える可能性があります。「木の根が浄化槽に穴を開ける」こともあります。

根っこが配管の中で成長し、汚物が詰まってしまう可能性もあるため、浄化槽近くの地面に直接木や植物を植えるのは避けましょう。
植物を楽しみたい場合は、「プランターを使用」して植えることをおすすめします。
これにより、浄化槽に悪影響を与える心配はなく、美しい景観を保つことができます。
プランターを使って植物を育てることで、「浄化槽の保護と庭の装飾」の両方を実現できます。

危険な塩素系漂白剤の使用量に注意!適切な使い方を知ろう

漂白剤(ハイター)には、「塩素系と酸素系の2種類」があります。
塩素系は、汚れがひどい場合にのみ使用し、普段はできるだけ酸素系を使用するようにしましょう。
浄化槽内には多くの微生物が存在しており、「過剰な塩素系漂白剤の使用により微生物が死滅し、水質が悪化する可能性」があります。
ただし、普段の使用において適量であればそれほど影響はないため問題ありません。
塩素系は使ったらだめなんでしょ?
と、よくいわれることがありますがそこまで神経質にならなくても大丈夫です。
浄化槽ブロワーのコンセントを抜かないで!効果を維持するためのポイント

浄化槽には多くの微生物が生息しており、ブロワーはこれらの微生物や配管に空気を送り、浄化槽の正常な機能に大きく貢献しています。
微生物も生き物であるため、「酸素が必要」とされるため、ブロワーの役割は非常に重要です。
しかし、電気代がかかることや騒音がうるさいという理由から、ブロワーの電源を切る方もいます。
ブロワーが停止すると、浄化槽内の「循環配管も停止」してしまいます。
そのため、配管に汚れが詰まってしまい、次に電源を入れたとしても空気が出なくなってしまう可能性があります。
このような事態を避けるために、「ブロワーのコンセントを絶対に抜かないで」ください。
一般家庭でのブロワーの電気代は、1日あたり20〜30円程度です。
簡単に電気代の計算ができるので、下の記事も参考にしてみてください。
下の動画は間欠タイマーユニットという商品です。
使用できる現場は限られますが、節約や環境にとても良い商品です。
上手に活用することができれば大幅に電気代を削減できます。
ブロワーの設置方法は、直射日光が当たらず風通しの良い場所で、水平に設置すると良いです。
以下のように設置すると良いでしょう。

放流ポンプのランニングコストに注意!効率的な使用方法で経済的に運営しよう

放流先までの距離が長い場合や、高低差がある場合には、放流ポンプの設置が必要になります。
放流ポンプは、一般の方には必要性が分かりにくく、業者の提案に従うことが一般的です。しかし、放流ポンプは数年後に故障することが多く、修理費用も高額になります。
これにより、「余分なランニングコストがかかる」ことになります。
不動産の購入やリフォームを検討する際には、放流ポンプを必要としない物件を選ぶか、必要な場合でも適切なサイズのポンプを設置することを検討しましょう。
放流ポンプの必要性については、業者とよく話し合い確認することが重要です。
浄化槽の知識を身につけて、効果的な節約方法を実践しましょう。
排水に流さないで!油や食べカス、残り汁の適切な処理方法をご紹介

画像のように汚れを底部に溜め、上部と底部で汚れを分離し、キレイな中間水が次の部屋(槽)に移送します。
油を流すと、汚れが沈殿分離や分解されずに浄化槽の処理が困難になるため、注意が必要です。
食器やフライパンなどの使用後は、「キッチンペーパーなどで油を拭いてから洗剤で洗う」と、浄化槽や環境にとても優しい方法です。
また、ラーメンの残り汁などは、牛乳パックなどに入れて片栗粉を混ぜると固まり、可燃ごみとして処理することができます。

食べカスを処理する際には、キッチンネットで水気をしっかり切り、重曹スプレーまたはクエン酸をかけてからゴミに出すことでニオイを抑えることができます。
なお、三角コーナーについては個人的な意見がありますが、必要性を感じていないとのことです。
三角コーナーはゴミを一時的に置く場所になりがちで、ニオイの発生や掃除の手間も増える可能性があります。
ゴミが出たら、直接ゴミ箱に捨てることでスムーズに処理できます。
三角コーナーは二度手間!
油料理の後始末!正しい処理方法とポイント

■ 凝固剤を使用する
■ 新聞紙やキッチンペーパーで吸収する
■ 油分が多い場合は、ビニール袋を二重にしてキッチンペーパーで吸収する
油を流すことが問題であることを知らない方もいるかもしれませんが、実際には油は水質を非常に悪化させます。
油は浄化槽内で分解されず、水中に浮遊したり沈殿したりします。これにより、水中の酸素が減少し、生物の生育環境が悪化します。
槽内を見ると全て分かります。
油が配管で固まり、詰まりの原因や悪臭の発生を引き起こすことがありますので、使用時にはその点に注意しましょう。
特に飲食店やコンビニなどの場合、油の使用量が多く、油が放流されることが頻繁に起こるため、浄化槽の状態が悪くなる可能性があります。
このような場合は、油を適切に処理し、環境に配慮した使用を心がけることが重要です。

水食器洗いの残り湯やお湯は、浄化槽に流せます。
ただし、浄化槽に繋がっている塩ビ配管の耐熱温度は60℃程度と比較的低いため、沸騰した湯を流す際は、水を流しながら慎重に排水してください。
塩ビ管が変形する可能性があり、修理費用が高額になることがあります。注意して排水するようにしましょう。
おわりに
いかがでしたか?上記の内容の中で、少なくとも一つは自分に当てはまることがあるのではないでしょうか?
これらの点を改善することで、浄化槽にかかる負担を大幅に軽減することができます。
浄化槽はあなたの財産であり、環境にも大きな影響を与えますので、大切に使用することが重要です。
私たちは、少しずつでも行動を変えていくことで、浄化槽や環境が改善されることを信じています。ぜひ意識を向けて、より良い環境を作り上げていきましょう。
プランターとは栽培容器のことです!