スッキリ解消!モアコンパクト浄化槽の詰まりトラブルを解決する方法
一般家庭に設置されているモアコンパクト浄化槽について、詰まりの原因と解決方法を写真を交えて解説します。
また、今後の浄化槽の主流であるモアコンパクト型のメリットやデメリットについても説明していきます。
モアコンパクト型メリット

■ 設置がとにかく早い
■ 軽自動車一台分くらいのスペースがあれば設置できる
■ コンパクトなので槽内の容量が減り、清掃費用が安くなる。
設置のみなら1週間から10日で完了可能で、浄化槽は下水道に比べ、迅速に設置ができます。
現在のモアコンパクト浄化槽は、軽自動車程度のスペースがあれば設置が可能です。
コンパクトな分引き抜く量が少なくなるため、清掃費用が安くなります。
地域によって異なりますが、浄化槽の汚泥量に基づいて清掃費用が決まるため、汚泥量が少なくなると費用も抑えられます。
デメリット
■ 様々な機能が盛り込まれていて複雑で詰まりやすい
■ 使用が多いと、沈殿分離する前に汚れが流出する
■ 管理に手間がかかる
あとで写真で解説しますが、実はモアコンパクト浄化槽には詰まる箇所が本当に多いのです。
さらに、槽が小さいため使用頻度が多くなると、沈殿分離や微生物処理が追いつかなくなり、キレイな水が排出できないことがあります。
詰まる箇所は5箇所!
今回紹介するのは「フジクリーンCFⅡ型」という浄化槽です。
同様の構造を持つハウステックKTG型やマエザワVRCⅡ型でも応用が可能ですので、ぜひ参考にしてみてください。
下の写真をご覧いただくと、詰まりやすい箇所を指していることがわかります。


両ばっ気詰まり解消方法!
両バルブの詰まり解消方法は、水色のバルブの右側に取り外し可能なユニオン等を取り付けておきます。
その後、ユニオンを外し、水道ホースを取り付けて水圧で詰まりを解消します。
両ばっ気が詰まってしまうと、「浄化槽の機能が損なわれ、1槽がただのタンク」となってしまいます。
両ばっ気の役割は、活性汚泥という微生物が汚れの量を減らしつつ、水をキレイに処理し、中央の沈殿分離槽に汚泥を溜める役割があります。
2枚目の写真の上○部分が詰まると、2槽からばっ気槽に揚水できなくなり、全体的に水位が上がり満水状態になります。

オリフィスは手で緩めると簡単に外せます。
この小さな穴にホコリやゴミが混じり詰まってしまうことがあります。
詰まりを解消するには、小さな穴(直径約1ミリ)にホースを繋いで、ゆっくりと水を流すことが有効です。
オリフィスが詰まるとただのタンク状態になる
オリフィスが詰まってしまうと、「浄化槽内の循環が止まってしまい、汚泥が流出する原因と満水状態」になります。
その結果、家中の水の流れが悪くなる可能性があります。
浄化槽内の水の流れは、家の中から浄化槽の1槽、2槽、ばっ気槽、沈殿槽、消毒槽、最後に側溝へと流れる順番になります。

2枚目(先述の写真)の下の〇部分は、沈殿槽から汚泥を返送する汚泥返送管で、沈んでいる汚泥を1槽に返送する配管です。
しかし、この汚泥返送管も詰まってしまうことがあります。
汚泥返送管が詰まってしまうと、汚泥が返送されずに外部に流出してしまい、浄化槽全体の性能低下や周囲環境への悪影響を引き起こすことがあります。
閲覧注意‼詰まり抜き動画です【日立KTG型】
こちらの2本の動画をご覧いただくことで、全ての問題を解決することができます。ぜひご視聴ください。
下の動画は汚泥循環管の詰まり解消方法です。
おわりに
今の時代はなんでもコンパクトになりがちですが、浄化槽は大きさに余裕のある方が水質も安定します。
まず、容量が大きいほど、汚水が貯まるまでの時間が長くなるため、汚水の濃度が低くなります。これによって、微生物がより効率的に働き、浄化性能が向上します。
また、容量が大きい浄化槽は、汚水の流入量が急増した場合でも一時的に処理能力を上げることができます。
これによって、急激な雨量の増加などによって発生する過負荷を軽減することができます。
さらに、容量が大きい浄化槽は、定期的なメンテナンスの負荷が少なくなります。
容量の小さい浄化槽では、汚水が貯まるまでの時間が短く、より頻繁なメンテナンスが必要となる傾向があります。
以上のように、家庭用浄化槽においては、ある程度容量が大きい方が望ましいと言えます。