- 処理方式についての確認
- 風量と総容量の詳細
- 浄化槽の管理要点
- 詰まりの際の対処法
浄化槽の種類やメーカー、型式を理解するのは初心者にとって非常に難しいです。私も業界で10年以上経験がありますが、未だに知らない浄化槽が多くあります。
この記事ではXE型浄化槽に焦点を当て、初心者でも理解しやすいように解説しています。
固液分離型流量調整付担体流動循環方式
浄化槽の処理方法は「固液分離型流量調整付担体流動循環方式」と呼ばれ、この中で有機物は「担体」に付着した微生物によって分解されます。
また、「間欠定量移送装置」があり、お風呂、台所、トイレからの排水を一定量に調整して移送する役割を担います。
大量の水が一度に流れ込んだ際の処理遅延や未処理の水が外に漏れるリスクを防ぎ、効率的な浄水処理を実現します。
ブロワーの風量は50ℓ
ダイキXE-5型は風量が50ℓと設定されており、他の合併処理浄化槽に比べて風量が少ないです。
このため電気代の節約と二酸化炭素の排出削減が期待できます。
LWLの容量1.624㎥
各槽 | 容量 |
---|---|
汚泥貯留部 | 1.071㎥ (流入) |
ピークカット部 | 0.098㎥ |
担体流動槽 | 0.389㎥ |
沈殿槽 | 0.145㎥ |
消毒槽 | 0.021㎥ (放流) |
槽内の全てを引き抜くと容量が1.724㎥になります。
脱窒(窒素を取り除く)に必要な汚泥を汚泥貯留部に残す場合の容量は1.624㎥になります。
満水状態時の容量は2.1㎥となります。
処理能力
項目 | 値 |
---|---|
処理対象人員 | 5人 |
日平均汚水量 | 1.0㎥/日 |
放流水BOD | 20mg/ℓ以下 |
放流水SS | 20mg/ℓ以下 |
放流水T-N | 20mg/ℓ以下 |
間欠定量移送装置が引き上げにくい問題
この浄化槽には「間欠定量移送装置」が搭載されています。ここではわかりやすく「ポンプ」という名称で説明します。
「ポンプ」の主要な機能は移送する水の量を一定に保つことです。決まった量の水を次の槽へと順番に送り出す役割を持っています。
このポンプよく詰まります!
現在の設計ではパイプの長さがぴったりと合っており、取り外す際の余裕がほとんどありません。
長期間の使用でパイプが破損するリスクが高まる可能性が考えられます。
私たちが管理する期間は何十年にも及ぶため、「パイプが折れる問題を防ぐためには、13MCユニオン」とパイプカッターを用いて工夫する必要があります。
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13MCユニオンは、様々な浄化槽に対応しているため、管理者としては必ず準備しておくと便利です。
短いタイプのユニオンはおすすめのアイテムです。
ポンプを取り外す際は配管の破損や折れる原因になるため、適切な力加減で慎重に引き上げましょう。
浄化槽清掃、間欠定量ポンプ清掃方法
ポンプの底に設置された逆止弁は清掃のため取り外しが必要ですが、手だけでは開けられません。逆止弁がかなり固く締められているからです。
パイプレンチ、アンギラス、またはマイナスドライバーを使って開けています。逆止弁専用の工具もあります。
赤いマークのついた箇所と、逆止弁をブラシ等を用いて清掃しましょう。
ここが汚れているとポンプの効率が落ちるため、定期的に清掃することが大切です。
詰まりを解消した後はポンプを元に戻し、排水が正常に機能するかを何度か確認します。問題がなければ作業は完了です。
逆止弁の良い使用例と、うまく機能していない時の例を解説しています。
逆止弁を掃除しても排水がスムーズに行われない場合は、逆止弁自体が劣化している可能性があります。
その際はメーカーから新しい逆止弁を注文し取り替える必要があります。
逆止弁は消耗部品なので交換が必要になることを覚えておきましょう。
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ダイキXE型浄化槽清掃方法
以下の動画では具体的な手順を分かりやすく解説しています。
まとめ
- 処理方式: 固液分離型流量調整付担体流動循環方式
- 風量: 50ℓ
- 総容量: 1.624㎥
- メンテナンスポイント: 間欠定量移送装置の定期的な清掃は欠かせない
本記事ではダイキXE-5型浄化槽のメンテナンス手順や消費電力について解説しました。
この浄化槽は生活排水を効率的に処理し、環境に優しいだけでなく節電にも貢献しています。
最適な性能を維持するためには定期的なメンテナンスが欠かせません。
特に、「逆止弁の定期的な清掃や交換」は重要なポイントです。
浄化槽の寿命や性能を維持するためには日常の使用方法にも気を付ける必要があります。
大量の水を一度に流すのではなく少しずつ流すことで浄化槽は最良の性能を発揮します。